3歳のパグの免疫力

Text by Staff M

2017.08.11

これは、実際に飼い主さんからいただいたご質問です。

 

「うちの子は、まだ3歳です。
それなのに皮膚の炎症(皮膚炎)が治まりません。
この子は免疫力が低いのでしょうか?
免疫力を高めたら治るのでしょうか?」

 

このご質問に須崎動物病院院長の須崎が回答いたしましたので、

 

その様子をスタッフとのやり取りでご覧ください。

 

 

◆免疫力が低いから症状がでる?
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スタッフH:先生、このご質問についてどうでしょうか?

 

須崎:早速「いやいや」とツッコミたい部分がいくつかありますね。

 

スタッフH:免疫力のことでしょうか?

 

須崎:それだけではないんですが、それじゃあまずは
「この子は免疫力が低いのでしょうか?」からいきましょうか。

 

スタッフH:原因療法を知るまでは、テレビ番組や巷で解説されるように
「症状が出る=免疫力が低い」と私も思っていました。
他の飼い主さんも、そう思い込まされている方がほとんどだと思います。

 

須崎:それでうちに来て、一瞬フリーズしたりして、でも
よく考えればそうだ!免疫力が低かったら症状が出るわけがない!と、
少しずつ解ってくるんですよね。

 

スタッフH:頭にあった常識が変わる時は、
何度も繰り返さないと浸透しないので
最初に聞いたときはホントにフリーズでした。

 

須崎:なので、ここで文字で読むと余計にビックリされるかもしれないですけど
結論からもうしあげますと、
【免疫力が低いから症状が出ているのではなく、
 免疫力が正常に働いているから症状が出ているのです】

 

スタッフH:はい

 

須崎:なぜなら
【そもそも症状とは白血球が戦った結果が症状として表面にでているだけです。
 ですから、戦っている(免疫力が正常)から症状として現れ、
 戦わない(免疫力が低い)と、症状として現れないのです】

 

スタッフH:ということは、この3歳のパグの場合、
免疫力は正常に働いているということですよね。

 

須崎:そうです!

 

スタッフH:では、免疫力は正常だとすると、
この子の炎症が治まらない原因は別のところにあると考えていいでしょうか?

 

 

 

◆皮膚炎だから原因はコレ?
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須崎:その可能性が非常に高いと思います。

 

スタッフH:その原因とは…?

 

須崎:焦らないでくださいね?
その原因は直接調べていない今の段階では断定できません。と申しますのも、
皮膚炎とはいっても、環境・症状・経過が全て同じではないので、原因療法的に調べればすぐわかりますが、個々で根本原因は違うのです。
ですから、個別で原因をそのつど調べるしかなく、
「皮膚病の根本的な治し方」というものは存在しないのです。
ただし、「皮膚病の症状の消し方」は大体どのケースでも同じなので、
それを皮膚病の根本的な治療法と誤解している方はいらっしゃいます。

 

スタッフH:A型の方は几帳面なので、
A型の人はみんな掃除道具をプレゼントすると喜びます、という事ではなく、
A型の人も掃除が苦手な人もいるし、
「それぞれなので個々で考えましょう。」という感じですね。

 

 

須崎:私は学生時代に女の子と仲良くなるには花束をプレゼントするに限る!
そして、花の種類はバラがいいと雑誌で知り、
好きな子にバラの花束をプレゼントしたらその子がバラアレルギーだったことがあります。
この経験から、「●●だから●●すればいい」という情報があったら
「ワナだ!」と思うようになりました(笑)。

 

 

スタッフH:あら…。という事は考え方としては、やはり
この症状だからといって、ひとまとめに考えるよりも
個々で原因を考えたほうがいいということですね

 

 

須崎:そうです。話を戻しますと、
【免疫力が正常に働き、白血球がちゃんと戦ってくれているから
症状がでるのであって、決して免疫力が低いのではありません】
では、なにが問題かというのは【個別で調べる】必要があり、
当院では【東洋医学的】に調べる方法を採用しております。

 

 

スタッフH:すごく解りやすいです。

 

 

須崎:さて次に「免疫力を高めたら治りますか?」ということですが、

 

 

 

◆免疫力をあげたら皮膚炎は治るの?
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須崎:先ほど免疫力は正常に働いていることが解りましたよね?

 

 

スタッフH:はい

 

 

須崎:で、恐らく免疫力の問題ではなく、他に原因があると考えられましたよね?

 

 

スタッフH:はい!

 

 

須崎:で、その原因も調べる必要があることも解りましたね?

 

 

スタッフH:はい!!

 

 

須崎:ですから、現時点では
「免疫力を底上げする『だけ』で十分に改善できる」とは言えない状況なのです。
ただ、多くの方は免疫力を高める(通常をさらに高める)ことで
解決出来ると早合点してしまいがちですよね。
確かに、免疫力を高めれば、戦う力は強くなる可能性があります。

 

 

スタッフH:では、免疫力は高めた方がいいのでしょうか?

 

 

須崎:そう焦らないでください(笑)
身体はそんなに単純ではないんです。
戦いが激しくなるのですから、
改善する経過として症状が強くなる可能性がありますし、
そうなった時にその症状を乗り越えるだけの体力が残っているのか?
ということ等も考えなくてはいけません。

 

 

スタッフH:なるほど、

 

 

須崎:ですから、積極的に闘わせるかどうかは状況によって判断が変わりますし、
そのためには複雑な身体の経過をしっかり見極める力も必要になります。
そしてそれは飼い主さんが考えることではなく、プロに任せるところです。

 

 

スタッフH:そうですね…。私達シロウトが勝手に考えるよりもプロに相談したほうがいいですよね。

 

 

須崎:ここで飼い主さんの判断が求められます!

 

 

スタッフH:と申しますと?

 

 

 

◆飼い主さんの大事な選択!
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須崎:まずは、結果を出しているプロに相談するということ!

 

 

スタッフH:はい

 

 

須崎:そして
(1) 原因を改善するためには、
途中経過として症状として表れることがあるけど、それは
「必要な途中経過」なので不安視しません!と考えるのと
(2) どうしても症状が気になるので、
根本は治っていなくても症状が消えてくれさえすればいいと考えるのか、
どちらを選択するかということ!

 

 

スタッフH:これは、何を重要視するかという視点の違いですね。

 

 

須崎:もし、(1)を選択されたのでしたら、この飼い主さんは
今、免疫力の心配をするのではなく、それよりも
【この子の炎症がおさまらない理由を探す必要】があります。
ですから【原因療法を行なっている獣医師】のもとで
【個別で原因を調べてもらい】その子に合った改善の方針を【プロ】に
相談する流れを選択することが飼い主さんにできることだと思います。

 

 

スタッフH:はい、ありがとうございます。それでは今日のお話をまとめますと、

 

 


Q:うちの子は、まだ3歳です。それなのに皮膚の炎症が治まりません。この子は免疫力が低いのでしょうか?

 

A:免疫力は正常ですよ〜

 

 

Q:免疫力を高めたら治るのでしょうか?

 

A:治らない原因を調べてその子にあった改善方法を探す必要があるので、
唯一無二の模範的な回答がなく、直接調べるまではなんとも申し上げられません。
ただ、「過去の似たようなケース」では免疫力は正常ということがほとんどで、
他に原因がある可能性が高いので、
免疫力を高めるだけでは根本からの改善は難しいかなという印象ではあります。

 

 

Q:では、この飼い主さんはどうすれば?

 

A:免疫力を気にするよりも、
お近くの原因療法を行なっている獣医師のもとで原因を調べてもらい、
取り組む優先順位を含めて、その子に合った改善方法を相談することが最優先です。

 

 

ということで、このご質問に対しての回答は以上になります。

ぜひ、参考にしてみてください。

 

 

 

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